この記事では、Instagram運用をしているのBtoB企業を40社以上分析した筆者が、その中でも参考になる9社を良い事例として紹介しています。また、悪い事例についても会社名を伏せて紹介しているので、Instagram運用を考えているBtoB企業の参考になれば幸いです。
目次
Instagram運用する上で、まず知っておきたいこと
Instagram運用する上で、まず知っておきたいことが4つあり、それぞれ説明します。
Instagramは写真ありきのSNS、写真選びは最重要
Instagramは写真ありきのSNSである為、ユーザーは視覚的に投稿写真から多くの情報を受け取ります。良いイメージ、興味・関心を持ってもらうには、写真は選びは当然重要です。写真の画質や明度、他の写真との統一感や一貫性、全体の世界観が崩れてないか投稿前に確認しましょう。
Instagram運用の目的を決める
「自社商品やサービスの告知」「自社ブランディング」「採用」など、Instagram運用する目的はさまざまあると思います。どういった目的でInstagram運用をするのか決めましょう。場合によっては「採用のために投稿していた内容が結果、自社ブランディングにも繋がった」という副次的な効果もあり得ます。
BtoB企業でも発信相手は「人」
BtoB企業でも商品・サービスの購入を決定するのは企業ではなく「企業の中の人」です。その為、ユーザーが見て楽しいと思える投稿や有益な投稿でないと、誰も見てくれません。BtoB企業もBtoC企業の取り組みと同様に「思わずユーザーがフォローしたくなる投稿」をすることが重要です。
継続的にコツコツ運用する
Instagramだけでなく、SNS運用はやってすぐに効果は出ません。また、始めた後で投稿をやめてしまうと、折角のフォロワーも減ってしまいます。運用を始めたら、継続的にコツコツ投稿しましょう。
BtoB企業が行なっているInstagram運用の良い事例
マンパワーグループ
URL: https://www.instagram.com/manpowergroup_japan/
マンパワーグループは、企業向けサービスとして人材派遣、採用代行・採用コンサルティング等を行なっている会社です。
Instagramでは「好印象の女性向けオフィスカジュアルコーデ」を紹介しています。狙いとしては「おしゃれなイメージ」「女性もイキイキ働ける職場」という会社のブランディング効果と、「毎日のオフィスコーデに悩む女性」または「職場でもおしゃれを楽しみたい」という女性ユーザーのリピート化を考えているのかと思います。
注目すべきは、洋服やカバン、シューズのブランド名を紹介していて、自社商品に関する投稿を一切していない点です。つまり、自社商品やサービス以外のことからでもブランディングはできることが分かります。その上、ここで紹介している女性のコーディネート写真は自社の社員ではなく、外注しています。つまり、Instagramのコンテンツ作りは必ずしも自社で行う必要はなく、外部に任せる選択肢もあることがわかります。
NTT西日本
URL: https://www.instagram.com/nttwest_official/
大手電気通信事業者であるNTT西日本のInstagramは「西日本を元気にするために活動している人々」やユーザーから「思い出の写真」を募集して、その中から選んで写真を投稿しています。
注目すべきは、NTT西日本のInstagramの投稿内容も自社の事業に関わりがないことです。それと「ユーザーから写真を募集」という形で、ユーザーを巻き込んでInstagram運用している点です。自分の写真が選ばれるとユーザーは勿論嬉しいわけですから、ユーザー参加型のInstagramのコンテンツはフォロワーも増えやすい傾向があります。実際に、NTT西日本のフォロワー数は1.5万人でNTT東日本の2,000人と比べると7倍以上の差があります。
シスコシステムズ合同会社
URL: https://www.instagram.com/cisco_japan/
シスコシステムズはコンピューター機器開発会社です。Instagramの投稿内容は、医療関係者向けのセミナーの告知や自社製品の紹介があります。ただ、それだけだと面白みが少ないため、自社のアンバサダーを務めるスポーツ選手の紹介や「シスコ社員の自宅のデスクをのぞいてみました」や「絵文字クイズ」などの企画もバランスよく投稿されており「ビジネス臭」がなく、ユーザーが楽しめるように考えられています。
アズワン株式会社
URL: https://www.instagram.com/axel.asone/
アズワンは理化学機器・産業機器・医療、介護用品の専門商社です。
「自社製品のビーカーや三角フラスコにお花を入れて花瓶にしたり」「いちごパフェを液量計のグラスに入れたり」ユーモアがあります。理化学機器や医療用品など、一般の人にはあまり馴染みのない商材でも、創意工夫することで、「宣伝感」がなく、ユーザーが楽しめる投稿になっています。
フォロワー数は300人ほどですが、3ヶ月前にInstagramを始めたばかりであることと、投稿のユーモアがあるので今後増えることが期待できます。
三協立山株式会社 三協アルミ社
URL: https://www.instagram.com/sankyoalumi_official/
三協アルミは玄関ドア、窓、インテリア建材、フェンス、門扉などの総合建材メーカーです。このアカウントでは自社商品である建築材料を施工事例と合わせて紹介しています。実際に完成された家の内装や外装の写真があると、建材がどう使われるかイメージがしやすくなります。また、@(アットマーク)で施工した会社紹介もしています。
家の購入やリフォームを検討している顧客だけでなく、施工会社や設計会社をターゲットにした投稿をしている点がよいかと思います。
大建工業株式会社
URL: https://www.instagram.com/daiken_corporation/
総合建材メーカーの「大建工業株式会社」のInstagram活用は「三協アルミ」と同様に施工事例の写真をあげつつ、自社商品を紹介しています。他の総合建材メーカーのInstagram活用でも施工事例を紹介しているところが多い印象です。
この会社の注目すべき活用ポイントは、TVドラマで使用するセットの美術協力をしていて、その関連の投稿も行っていることです。ハッシュタグにドラマ名やその出演者名を入れて、リーチを広げる取り組みを行っています。その他に、プレゼントキャンペーンを実施するなど積極的にフォロワー数を伸ばし、認知を高める努力をしています。
京セラ株式会社
URL: https://www.instagram.com/kyocera_official/
京セラ株式会社は、電子部品、半導体部品、医療用製品などを製造する大手電子部品・電気機器メーカーです。このアカウントでは「京セラとそこで働く仲間(社員)に、興味を持ってもらうこと」を目的にInstagram運用されているのが特徴です。
フィーチャーする社員の「仕事内容について」「その方が仕事する上で大切にしていること」「最後に仕事における夢や目標」を紹介しており、さらに同じ1人の社員の話を複数回に分けて投稿をしています。そこまですると、この会社が社員のこと会社の事業内容を深く知ってもらいたいという気持ちがよく伝わります。その結果、会社のブランディング効果を高めている良い例です。
武田薬品工業
URL: https://www.instagram.com/takedacareers_japan/
BtoB企業はBtoC企業より、世間の人から認知され辛いため、採用に人が集まらず苦労するケースもあるかと思います。
その点「武田薬品工業」は採用を目的にInstagram運用しており、参考になります。ストーリには「タケダの魅力」がまとめられていて、個別投稿では、フィーチャーする社員の「経歴」「想いや仕事に対する熱意」が紹介されています。もっと詳細を知りたい方に向けて、URLが書かれている(リンクではない)ので、そのURLをコピーしてブラウザで開けば、自社サイトの個別インタビュー記事に飛べるよう設計されています。
投稿されている写真については、背景が明るく、社員の顔がよくわかるものや、仕事中の写真、オフィス紹介の写真など、働きたくなるような魅力があります。
東京海上日動
URL: https://www.instagram.com/tokiomarine_official/
東京海上日動は個人と法人向けに損害サービスを提供している会社です。オリンピックのスポンサーをしていることから、Instagramではオリンピック選手の応援動画を投稿するなどして、企業のブランディングを図っています。
この点、多くのBtoB企業ではスポンサー契約を結びスポーツ選手を使ってブランディングすることは難しいため、参考にし辛い部分かと思います。
一方、東京海上日動ではマスコットキャラクターを使ったダンスクイズの投稿もしていて、後日正解発表をしています。クイズという形で、ユーザーを惹きつけ、楽しんでもらう(ユーザーを飽きさせない)姿勢は真似できる点があるかと思います。
Instagram運用の悪い事例とその理由
某自動制御機器などの開発・製造販売を行う企業のケース
問題点:自社商品の写真とその商品名だけが書いてある投稿
例えばアパレル系や飲食系のBtoC企業の場合、商品写真とその商品名だけでも、ユーザーの興味・関心を惹く可能性があります。しかし、BtoB企業の場合、商材自体が一般のユーザーに馴染みがない場合が多いため、自社商材の写真とその商材名だけが書いてある投稿は退屈になりがちで、見てくれる人は少ないでしょう。
某警備サービス会社のケース
問題点:キャンペーン用だけのアカウント
キャンペーン用だけのアカウントの場合、そのキャンペーンが終われば、まず一定数のユーザーはフォローを解除してしまいます。折角「フォロー」と「いいね」をキャンペーンの参加条件にしても、これでは勿体ないです。また、キャンペーン用のアカウントは「ビジネス臭」がして、印象があまり良くありません。
そのため、キャンペーンは通常の投稿と合わせて、たまに実施するくらいが良いかと思います。
まとめ
- 「自社ブランディング」を目的とした場合、自社の事業や商品・サービスに関わりがないことでもInstagramのコンテンツとして成立する。つまり、自社商品やサービス以外のことからでもブランディングはできる。
- 自社商品やサービスの告知だけでなく「ユーザーを巻き込んだクイズ」や「社員のインタビュー」などの企画もバランスよく取り入れる。
- 一般の人にはあまり馴染みのない商品を販売するBtoB企業でも、創意工夫することで、「宣伝感」がなく、ユーザーが楽しめる投稿になる。(例:アズワン)
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