PHPバージョンが異なるケースでのWordPressのサーバー移行手順

WordPressの引越しは、プラグイン「All-in-One WP Migration」の使用がメジャーな方法かと思います。このプラグインを使用するには両サーバーのPHPバージョンを揃える必要があります

しかし、何らかの理由がありPHPバージョンを揃えられない、データ移行に伴ってPHPバージョンも上げたい、というケースでは「All-in-One WP Migration」以外の方法でデータを移行することになるでしょう。

そのようなケースでデータ移行をする具体的な方法を紹介します。

大まかな手順は以下です。一つ一つ解説していきます。

※サーバーがApachで、FTPが使える環境の方へ向けた内容となっています。
※PHPバージョン5系・7系から8系への移行作業を想定しています。
※FTPやphpMyAdminの操作に慣れていない方は、専門業者へ相談をすることをおすすめします。

現行データのエクスポート

データを移行するためのエクスポートを行います。「All-in-One WP Migration」ではファイルもデータベースも一括でエクスポートできましたが、今回のやり方では別々にエクスポートを行います。

データベースのエクスポート

phpMyAdminからのエクスポート方法を紹介します。

phpMyAdminがサーバーにインストールされていない場合は、サーバーのコントロールパネルから設定するか、phpMyAdmin公式サイトからダウンロードし、FTPからアップロードしてください。

phpMyAdminログイン画面へはコントロールパネルから移動するか、アップロードしたファイルのパスにアクセスします。

ログインしたら、対象のデータベースの階層に移動します。エクスポートタブへ移動し、「エクスポート」ボタンを押して.sqlファイルをダウンロードします。

WordPressデータのエクスポート

FTPからwp-adminやwp-includeなどがある階層のファイルを全て手元にインストールします。

データを新サーバーへインポート

データベースのインポート

今度は先ほどエクスポートしたsqlファイルをphpMyAdminからインポートします。

まずは新規サーバーにデータベースを作成しましょう。既に作成済みの場合はそれを使用します。

次に、新規作成したデータベースを管理するphpMyAdminにログインして、対象のテーブルへ移動します。

「インポート」タブへ移動し、アップロードファイルからエクスポートしたsqlファイルを選択し「インポート」を押します。

※インポートするデータベース名、ファイルが正しいか、しっかり確認して行いましょう。

インポートデータが大きすぎると、タイムアウトしてしまうことがあります。
その場合は、phpMyAdminのインポートサイズを上げるためにサーバーのサポートセンターに問い合わせたり、エクスポートファイルをテーブルごとに分けてインポートしてください。

次に、新規サーバーのサイトを閲覧できるようにするため、[テーブル接続詞]_optionsのテーブルからsiteurlとhomeのoption_valueのドメインを新サーバーのドメインに変更します。
これはこの後の表示確認と修正が完了したタイミングで、DNS切り替えの直前に本番ドメインに書き換えます。

WordPressデータのインポート

FTPから旧サーバーと同じ階層にWordPressデータをアップロードします。サブディレクトリに配置していた方は、同じ名前のディレクトリを作成しアップロードしましょう。

wp-config.phpを書き直す

新しく作成したデータベースに接続するために、wp-config.phpのデータベース名・パスワード・ホスト名を書き換えます。

サイトの表示を確認する

[新サーバーのドメイン]/wp-login.phpにアクセスし、管理画面にログインします。この時点でエラーが出ている場合もあります。

プラグインを全て停止する

まずはプラグインを全て停止させます。管理画面が閲覧できる場合はプラグイン管理から停止させます。管理画面が閲覧できない場合、FTPからプラグインフォルダをリネームして停止させます。

本体を更新する

管理画面メニュー「更新」から本体バージョンを更新します。

プラグインを一つずつ有効化する

停止していたプラグインを一つずつ更新・有効化をします。
エラーが出るプラグインがあれば更新で解消されることがあります。

更新でも解決されないプラグインがあれば、代替プラグインの使用を検討します。

サイト表示の確認・エラー修正

本体とプラグインの修正が完了した後は、サイト表示を目視で確認します。プラグイン「Query Monitor」を入れるのがおすすめです。
この時点でエラーメッセージが出ている場合はおそらくテーマに問題があるため、テーマ内を見直し適宜修正します。

全てのエラーを解消してリンク切れなどの表示確認を行った後は、一般設定から「サイトURL」「サイトアドレス」を本番ドメインに変更し、DNS切り替えのための準備をします。

まとめ

「All-in-One WP Migration」では移行できないケースでの移行手順を紹介しました。
データベースを取り扱う場面があるので、作業は慎重に行うようにしてください。

また、弊社ではWordPress移行の代行を承っております。お気軽にご相談ください。

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